Monday, November 29, 2004

SZに寄せる夢

ちょっと古いアルファ(AlfaRomeo SZ)で走りを楽しむ、そう思ってSZにロール・ケージを入れるとき、浜松の友人(鬼?)と、そう忘れてはいけなかった、ウチのお袋を除いて、皆がもったいない!と言ってくれました。ありがたいのですが、自分としてはこのちょっと古い、格好ばかりで鈍足と言われていたSZを、アルファらしく走らせてやりたいと密やかに思っていました。ですから、当初から走らせるシチュエーションは、サーキットを中心にと考えていたのです。要は大人のおもちゃ?が欲しかっただけなのですが、ポルシェは欲しいけれど買えないし・・・。

それでもナンバーを抹消することは考えていませんでした。ツーリングにも行くことができて、サーキットに持ち込めば、これはこれで結構速くて、現行のアルファ達にも負けないようなSZを作ってみたかったのです。言わせてみたいですねぇ「恐るべしSZ!」って。

自分のこの夢は、良い友人と、ガレージに恵まれ少しずつですが具現化しています。せっかく手に入れたアルファなのですから、らしく走らせてやりたいと思っています。自分は自分のスタイルでこうしてアルファと接していますが、皆さんはどうなのでしょう・・・・。

クァンタムのショック(リア)

quanramR

クアンタムのショックはバネレートがフロントが約18kg、リアが15kgのアイバッハ製です。サスペンションのアーム長のこともありますが、このレートにもかかわらず、非常に乗り心地がよく、普段の街乗りでも突き上げはなく、高速道路でも不快なピッチングは起こしません。硬いと言うより、強い!、と表現した方が正確かと思います。この突き上げの無いスムースさはショックの存在をまるで無いかのようにさえ感じさせます。それでいてきっちりと仕事をしてくれる性能は、今まで味わったことのない違う次元の感覚でした。

SZはその車高の低さから、ちょっとしたアンギュレーションのある道路でもフロントバンパーを擦ってしまうのですが、このショックに換えてから全く擦ることもなくなり、精神的に解放されました。

機械精度の良さ、ケースの剛性、フリクションの無さ、全てにおいて質の高いショックであることが伺えます。因みにショックを換えただけで、セッティングもしないまま鈴鹿サーキット(フルコース)を走ってみましたが、2秒タイムを短縮できました。あらためてショックの大切さを実感しました。

クァンタムのショック(フロント)

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鈴鹿サーキットを走り始めて思ったことは、ノーマルのSZでは脚が柔らかすぎることでした。サーキット走行初心者のへっぽこドライバーですし、腕前のこともありますが、とにかくコーナリングでショックが底突きを起こしてしまい、ストロークを失った脚が仕事をできず、ステアリングが効かなくなってしまうのです。こうなるとスロットルをコントロールしながら立て直すしかありませんが、一旦失速してしまうと、鈴鹿のS字をリズムよく登っていくことができませんでした。

そこでメインテナンスをして頂いている静岡のガレージにお願いしてクァンタムのショックをワンオフで制作してもらうことにしました。クァンタムではSZのショックを今まで作ったことが無かったそうで(・・・と言うことは本邦初ということですかね)SZをシュミレーターにかけてデータをとって頂き、すばらしいショックを手に入れることができました。

Sunday, November 28, 2004

手強い・・・

suzukaSZ9

145とSZ、パワーでは、少々SZの方に歩がありますが、それも直線でのこと、うまく仕立てられた145は小さなコーナーではちょこちょこと、速いですね、すんなりとパスさせてはくれません。鈴鹿サーキットでは、145もSZも同じアルファ同士、これくらいのパワー差なら、一緒に走っても、コースのパートによってそれぞれに得意な所があって、車のパワーだけでないところで、互いに楽しむことができます。

Saturday, November 27, 2004

ピットに佇む(たたずむ)

suzukasz6

アルファロメオ(AlfaRomeo)は停まっていても、走っている姿もどちらも格好いいのですが、こうしてサーキットのような非日常の場に持ち込んでみて、また一層、サマになる数少ない車の一つだと思います。かつての栄光は遠のき、バッジに月桂樹の王冠が消えて久しいのですが、何時の時代もモータースポーツを意識した車造りを忘れないところは、血統とプライドの為(な)せる故(ゆえ)なのでしょうね。

真後ろから見るとまるで将棋の駒のような、こんな不格好なSZでも、ピットにちょこんと佇んでいる自分のSZを見ると、フェラーリやポルシェには及ばずとも、可愛く思えるのは判官贔屓なのでしょうか。

Friday, November 26, 2004

SZ軽量化(ボンピン)

SZ food pin
ボンネットをカーボン製に交換するのはよいのですが、ノーマルのキャッチだけでは心許ないので、ボンピンで固定しています。自分のSZはボディーと同色に塗装しましたが、静岡(浜松)の走る鬼神、トランスアクスルの教祖、はボンネットがカーボンむき出しのSZです。
彼は私のよき理解者であり、アドバイザーでもあります。アルファに対する造詣(ぞうけい)の深さは皆の認めるところですが、特にトランスアクスルについては、走らせることにおいてもこれほど楽しんでおられる方を見たことはありません。彼のサイトTRANSAXLE ALFAROMEOは一見の価値があります。自分としては、いつかこの黒いボンネットのSZをブッチギッて一泡吹かせたいと言うのが密かな目標なのです。・・・って公表してるか。

SZの軽量化

sz food#2

SZはボディーがFRP製と言っても、名ばかりで車重がかなり重く、当初思ったほど軽快な動きをしませんでした。その姿形から速そうに見えるSZですが、実は狼の仮面を被った羊だったのです。併せてロードユースを前提に作られていることもあって、脚は柔らかく、到底サーキットで楽しめるようなものではありませんでした。(この脚は後にクァンタムQUANTAMでワンオフのショックを作ることになるのですが・・・)

そこでエンジンのオーバーホールを機に、まずボンネットをカーボン製に交換しました。このフードはノーマルに比べ数段軽く、車の挙動やブレーキの負担軽減、全てにおいて望ましい効果が得られました。まだボディー・オーバーハング部分の重さが残ってはいるものの、回頭性がよくなり、軽快なハンドリングを得ることができました。まぁ当然と言えばその通りの結果ですが、鈴鹿のストレートではフロントが少し浮きぎみに感じるほどの変貌を思うと、車のチューニングで、軽量化に勝るものは無いと言うことを本当に実感しました。

Thursday, November 25, 2004

SZ ロール・ケージ#4

SZroll cage#4
ロールケージは、ピラーにあるノーマルのシートベルトアンカーにボルトで固定してあります。SZはどう見ても天井部分の剛性が弱そうな感じですから、これが非常に効果的に効いていると思います。シートはレカロのSPG細身の体型にはこれがよいように思います。シートベルトがアメリカのシンプソン。柔らかくて使いやすいのです。助手席はノーマルシート、本当はバケットシートに換えたいのですが、ご覧の通りで、助手席をフルバケにしてしまうと、後ろの窓が拭けなくなってしまうのです。これは多分将来無くなって、消化器置き場になるんでしょうね。どうせ隣に乗せる子もいないし・・・・。

SZ ロール・ケージ#3

Szroll cage#3
後方から覗いた様子です。ロール・ケージだけで20kgの重量増加になりましたが、車両の中心部にあるためか、これはそれほどのハンディキャップになりませんでした。車両の剛性感が数段増し、車両自体が小さくなったと思わせるような効果が得られました。

SZ ロール・ケージ#2

SZroll cage#1
後部のロールケージはこのように組んであります。内装のカーペットは残してありますが、後方部の遮音剤やマットは撤去してあります。因みにシート後方の遮音剤だけでも7kg強もあります。

SZ ロール・ケージ#1

SZroll cage#2

助手席側から見た内装です。SZの場合、ダッシュボードの張り出しが左右で違うため、作るときに苦労したそうです。またドアはFRPのパネルなので、側面衝突の安全確保のため、サイドバーも入れてあります。乗り降りに支障がないよう少し前方を下げてありますが、できればX字に組みたいところです。問題は、ヘッドクリアランスが犠牲になることで、走行中ヘルメットがコツコツと当たること、ただでさえ後方視界が悪いのに、一層見にくくなったことです。

私のようなへっぽこドライバーは、常に後ろを見ていないと心配なので、これは少し神経を使います。特にボンネットがカーボンむき出しの、走りの鬼神みたいな友人のSZがおりますので、鈴鹿ではまず、このSZに抜いてもらうまで気が気じゃぁないのです。

Wednesday, November 24, 2004

この子にして、この親あり

suzukasz4

SZをサーキットで楽しむにあたって、まず考えたのは安全のことでした。ご存じのようにSZのボディーはプラスティックですし、天井はアルミですから、もし万が一のことがあれば怪我だけではすまないことは容易に想像できます。ボディーの剛性を高めることはもちろんでしたが、どうせ楽しみでサーキットを走るのだから、怪我をしては洒落に何にもなりません。そこで、まず改造を施したのは、ロールケージの装着でした。幸い、20年もアルファに乗っていると、なにがしかのツテがあるもので、昔お世話になったレース工房がワンオフで引き受けてくれました。

このとき、私のお袋が言うには、アルファは走らせてこそ価値があるのだから、走らせないのだったら、写真でも撮って飾っておけばいいじゃぁない。それでは車がかわいそうでしょ。サーキットで車が壊れたとしても、それはその車の運命だからしょうがないんじゃぁないの。どうせ遊びで走るなら、安全にだけは気をつけなさい。というありがた〜い?応援を受けてロールケージの装着に相成ったわけです。このウチのお袋は、アルファならスパイダーが潔くてかっこいい、いままでのアルファの中ではGTVが一番かっこよかった、などと70歳過ぎのばぁさんが普通は言わないようなことを平然と宣う(のたまう)のであります。この親にしてこの子あり・・・。

ただねぇ、SZのことを勝手に略してZ(ジェット)と言うのは止めてもらいたいのですが・・・・。

Tuesday, November 23, 2004

そしてSZへ

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1984年に初めて手にしたアルファロメオはシルバーのGTV、平行して同年のSpider、92年には最後のアルファになるかもしれないと思い、手元に置いておきたい一心で、75TS。2000年には生まれて初めてのFF、New Spider、と乗り継いできました。

初めて乗ったアルファがトランスアクスルだったこともあって、後輪駆動のアルファにはそれなりの思いがありましたが、今では新車でトランスアクスルのアルファに乗ることはできませんし、それならいっそのこと、SZでサーキットを走らせて楽しもう、というのが最初の発想でした。これが言うは易し行うは難しで、所有して冷静に判断してみると、雑誌の好論評とはほど遠い、軽快感のない鈍重な車で、これでサーキットを楽しむにはそれ相応の覚悟が要りそうでした。これは大変なものを買ってしまったと思いました。

SZはその特異な風貌から、購入時にのぼせ上がってしまうと言うのか、とにかく冷静さを失わせるのです。やはり怪物というか、SZの持っている一種の魔性ですね。真面目で温和(おとな)しい男が、結構、性悪女に騙されるって言うじゃぁないですか。・・・誰が真面目な男か・・・は、さておき。


Sunday, November 21, 2004

アルファロメオへの思い

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もうかれこれ20年、アルファロメオと付き合ってきました。この間ガレージから一度としてアルファロメオがなかった時期はありません。少し前に、この92年からずっと乗ってきた75TSを友人に譲るまで、75TS、156Q、SZと3台もの赤蛇がガレージを占拠していました。ご近所にはただの変人に映っていたんでしょうねきっと。

アルファロメオに魅了されたと言っても、当時クラウンが150万円くらいだった時にアルファは300万円もしていたのですから、いかにアルファが高級車だったか、貧乏家庭の自分の家では望むべきも無い夢のような車でした。ようやく自分で手に入れたのは1984年のGTV、それこそ清水の舞台から飛び降りたつもりで、長年の夢を果たせたのでした。そのアルファもいつの間にかクラウンの方が高価になり、今、アルファは当時と変わらない値段で売られていることを思うと、考えようによってはお安い車なのかもしれませんね。変な理屈ですけれど・・・。

アルファロメオとの出会い

初めてアルファロメオと出会ったのは、今から40年近く前のことです。そのころから車好きな自分でしたが、路上に止めてあるジュリアクーペを見たときに、正直かっこいい!と思いました。そして何より自分を驚かせたのは、そのドアの厚みでした。国産車の薄っぺらなドアしか見たことの無かった自分は、その停まっているジュリアのドアが開くのを見て、子供ながらに貧富とか、造形のための空間や余地を作り出す西洋の余裕、本物のゴージャス、みたいなものを直感しました。まぁ理屈は後で付け足したとしても、この時アルファロメオの虜になってしまいました。当時僕はアメリカの車が世界一かっこいいと思っていましたし、今でもアメ車は好きなんです。特にコルベットと古いところではエルカミーノはね。小学生の頃、時々買っては見ていたカーグラフィック(当時はカタカナだったような気がします)にはアメリカの車が結構載っていましたが、欧州の車は少なく、初めて間近で見たヨーロッパの車がアルファロメオだったのです。それは実に鮮烈な印象として残りました。

Saturday, November 20, 2004

ようこそ

SuzukaSZ
アルファロメオSZでサーキット走行を楽しみながら、アルファに対する思いをコラムにしています。